音夢シナリオの場合には、結局主人公と仲がよくなるせいで、死にそうになる……というのがシナリオの要になると予想されます。まあ、そこがクライマックスという意味ですが、あまり伏線とかありません。ただ見落としているだけかもしれませんが、真相を語るには次のさくらのシナリオとも関わってくる点があるので、ここだけでは言い切れません。とりあえず、みていきましょう。
音夢が病気になるのは、主人公と心を共有してしまっているからです。それは幼い頃の2人、出会った頃の鈴を付けることになった経緯、それからさくらが引っ越した日の出来事などの思い出が大きな要因でしょう(あ、伏線あるねぇ…)。心が近づきすぎると危険ってことです。
音夢シナリオでは、両方から近いづいてしまったから死にそうにまでなるということです。実際、主人公が多少身を引くことで少し変化があります。
で、ちょっと視点を変えて、BAD ENDの方をみてみましょう。選択肢によっては、ラストの手紙読んだ後、音夢が出てこないのですが、これがBAD
ENDですね。雰囲気的に、音夢は死んでいるようです。このパターンの場合、桜を枯らしてもすでに手遅れだったということでしょう。これのフラグは、さくらか音夢かを選ぶところですから、結構解釈が微妙です。でも、音夢はさくらにだけは主人公を渡したくないと思っているわけですから、わずかでもさくら寄りな状況を作ってはいけないということでしょう。で、これを踏まえて、次に進みます。
ストーリーの進行上で音夢が記憶を失うと、主人公の呼び方が「兄さん」から「お兄ちゃん」へと変化します。これは記憶を失っていることを強調する部分です。つまりは、主人公を強く求めるがあまり、それ以外のものを失ってしまう。さらに言えば、さくらに邪魔されていなかった時代へと自分を戻してしまっている・・ということの現れだと考えられます。
最後のところで、呼び方が「おにいちゃん」から「兄さん」に戻っています。これは記憶を取り戻したからであると取って良いでしょう。その原因は、願い事が叶ったということ。そしてその願い事とは兄さんと一緒に学校へ行くということ。「兄さんと一緒」という部分が大事なわけです。その理由が先ほど出てきた
BAD ENDの部分に関わってくるわけです。さくら寄りな状況では、音夢の「兄さんと一緒」という願いが完全には叶わなかったということになるのでしょう。そして、「願い事が叶う」のが「夢が終わる瞬間」です。
ここで考えるべき点が一つ。最後シーンの主人公の台詞に「俺は音夢と普通に生きてきたかった」という下りがあります(一部変更あり)。すると、今回、桜を枯らせているのはさくらじゃ無くて、主人公のこの一言ではないだろうか・・という推測が出来ます(これ以外にも解釈方法は多数ありますが)。つまり「D.C.」でのばあちゃんの台詞「普通は嫌だ」を拒否した形になっているということです。しかも、それが主人公の願い(主人公がさくらに与えている影響は大きい)わけですから、桜が枯れて結局は音夢が死なないENDになるというわけです。主人公に桜を枯らすことができるのか・・という疑問が残りますが、これはさくらが否定しなければ問題ないでしょう。実際、さくらは音夢を助けようとしているわけですから。
ただ、さっきも書きましたが、この辺り(音夢シナリオ)に関しては解釈方法が多数あるので、断言するのは難しいのです。あくまで、一つの見方だということで強引に終わらせてもらいます。
キーポイントになるのは、音夢が病気になる理由です。音夢のシナリオ考察でも書きましたが、音夢が病気(桜まみれになるやつ)になるのは、主人公と心を共有してしまっているからです。が、さくらサイドから見ると多少意味合いが変わって来ます。さくらシナリオだと、さくらと主人公が仲良くなったのが理由で音夢の願望(兄さんLOVE)が強くなり、病気になったと推測することができます。そして、さくらが「音夢の事は忘れろ」と言うわけです。病気を治すために。さくらは、自分に主人公の気持ちを向けるようにしたのですけれど、結果的にそれは逆効果だったわけです。
物語後半で、みんながさくらのことを忘れる部分があります。これは、さくらがそれを願ったからです。それとは別に音夢は記憶の流出が起こっているから、主人公以外のことを忘れてしまう。で、状況を打破するためにさくらは桜の木を枯らすわけですが…。
なんでも自分の好きにできるから、自分に向いている主人公の気持ちが素直に受け取れないさくら。そのリセットも含めて桜を枯らそうとして、でも…やっぱり主人公のことを忘れることが出来ないのでしょう。さくらのシナリオは音夢と大きくかぶっているので、この程度の情報で全てがまとまります。ですが、さくらなしではD.C.は語れないのです。
と、ここまでで桜に関する謎というか、ばあちゃんが仕掛けた魔法の全体像がほぼ明らかになってきます。まあ、「D.C.」の部分のシナリオも含めて考えているわけですが、つまりはこういう事です。
諸悪の根元、つまり物語を語る上での絶対必要事項がばあちゃんなです。願いを叶える桜というものを作り出してしまったことが全ての始まりです。願いを叶えるという事自体はとてもファンタジーらしい魔法の使い方ですが、その中に含まれているものはファンタジーらしくない(つまりは現実的な)ものです。「自分がよければどうでもいい」とか「あいつが居なければ・・」といったような、誰もが持っている心の黒い部分まで反映させてしまっているのがそれです。そして、これこそが「ばあちゃんの失敗」でした。なぜこれが失敗だと予想できるかというのは、「D.C.」の部分での会話から読みとれます。ばあちゃんの台詞に「普通は嫌だ」という部分があります。そして、そこから派生したと予想される「夢を見るのも難しい。叶えることそのものは奇跡に近い。だったら夢を見せよう。桜は一年中枯れず、願いが叶う桜の夢を」という部分からばあちゃんの希望は綺麗なものだけだったという予想が立つわけです。
さて、これを理解した上で、さらにさくらのシナリオを突っ込んで考えてみます。この「失敗」の部分が夢の病気だとか、さくらの周りの人の怪我だとかに繋がっていきます。で、結果的にはそれがさくらが桜を枯らす要因にもなった訳です(これは最終的には全部のシナリオでさくらが桜を枯らせているということを示しています)。
風来猫とも話したのですが、ことりのシナリオに限っては考察する部分がありません。なぜならことりのシナリオ単体で綺麗に話が完結しているからです。ただ、桜の持つ能力というのを説明しなければならない部分がありますが、それは今までの音夢やさくらの考察、があれば十分でしょう。ですから、ここでは簡単にまとめをしておきます。
さて、ことりの場合の桜の影響は相手の心が読めるというものです。これはシナリオ中にもあるように、ばあちゃんが直接ことりに与えたような印象がある力ですね。ことりにとっては良いことだったはずです。長い目で見ればやはり失敗だったのかもしれません。ただ、「自転車の補助輪」という立場で見れば、その効果は絶大でした。人と触れることが怖い。つまりは相手が何を考えているか分からないから、どう接して良いかわからない。相手の考えていることが分かれば・・自分が傷つかないように行動できるのに・・。そんな子供の純粋な願い(いや、もしかしたらこの時点で純粋では無かったのかもしれない)を叶えることはばあちゃんとっては人助け以外のなにものでもなかったのでしょう。
結局は、その能力のせいで自分を閉ざしてしまうわけです。あとはシナリオの展開通り。素直に受け止めてください。
実は、一番のくせ者でした。どうして萌のシナリオが主要キャラクター4人に入っているのかは、話し合うまで解決の糸口さえ見つかりませんでした。解決する糸口は「過去の束縛からの解放」というものでした。これも「良い意味で取ればこういうシナリオなのかな??」といった微妙な意見から出てきたものですが・・・
そうすると、これも恐らく「ばあちゃんの失敗」というところにかかってくるのだろうと予測します。ただ、主人公と仲がよくなってからいきなり過去の話が出てくるのが微妙に理解しがたい点のような気がします。ここから話を展開していきましょう。萌の能力は「夢で昔の想い人に会う」というものです(厳密に言えば会ってはいませんが)。それによって萌は睡眠を多く取るようになるわけです。これが萌にとってその彼がなにより大切であるという事を示す部分になります。言い換えれば、大切な人を忘れないため、夢を見るために、いつでも眠るというスキルを身につけたわけです。これが桜の魔法の力によるものでした。何か大切なもの(これが主人公です)を見つけたけど、それを今まで大切にしてきたもの(夢の中の想い人)と比べたときに、どうすればいいのか分からなくなった。そして結局は夢逃げてしまう。結局、主人公と過去の彼を天秤にかけることが出来なかったのでしょう。本来ならば、主人公と仲良くなっても過去の彼を失うことは無かったはずなのです。現実は現実。夢は夢。というようにそれぞれでそれぞれを同時に大切にしていけるはずでした。
ところが、そのタイミングで桜が枯れてしまいます。結果的に萌は夢で彼に会うことが出来なくなるわけです。問題点はそれは萌の意志でも、主人公の意志でもないということです。今までに大切にしてきたものを突然失ってしまったらそれを繋ぎ止めようと必死になるのは当然のことです。ことりのシナリオと同様に、桜のあるなしでヒロインの心が揺れ動くというD.C.です。
萌のシナリオ全体で分かることは、ばあちゃんは非道い魔法も掛けていたということです。つまりはそれが冒頭に述べた失敗ですね。
美春のシナリオを考察する上で、一つだけ定義しておかなければならないことがあります。それは、美春は最初から主人公のことが好きである、というものです。実は、これ一つでロボ美春が存在している理由や桜の魔法について解決することが出来ます。
恐らく、美春本人では音夢に遠慮してしまって主人公とくっつけないという想いがあったのでしょう。それで、桜の魔法によってロボに美春の心が移るわけです。ロボ自体は美春の父親が造ったものなので、桜には関係ないように思えます。しかしその後の展開で、ロボ美春が美春の記憶を取り戻すという状況がでてきます。ここが桜の魔法ですね。つまり、美春本人の口からは言えなかった「あなたのことが好きです」という気持ちをロボ美春が代弁してくれたことになります。美春の記憶を得たロボ美春は、主人公の目からみれば本物の美春と殆ど一緒だったのでしょう。で、お互いの思いが通じたところではい、さようなら、となるわけです。好きだけど一緒にいられないという王道パターンです。
最終的には美春が帰ってくるわけですが、ここから先はゲーム内では語られません。ただ、ロボ美春をきっかけにして、その後の主人公と音夢と美春の関係がどう変わったのか・・というのをユーザーの想像に任せていると解釈しています。
D.C. 〜ダ・カーポ〜の中で、唯一桜と関係のないシナリオです。言い換えればおまけシナリオです。これがD.C.に対するおまけなのか、萌に対するおまけなのかは分かりませんが、どう考えてもおまけです。全シナリオ中一番こそばゆい恋愛をやっていたのではないかと思います。何の邪魔もなく。王道の恋愛ゲームパターンを展開してくれています。何も考えずに読めば、答えは自ずと導かれます。
あえて、強引な解釈をしてみましょう。というか、一般的には強引に見えるかもしれませんが、あながち間違っているわけでもないと思います。
桜の魔法に関係なくHAPPY ENDを迎える眞子のシナリオが意味するところは、普通でもいいということではないでしょうか。眞子以外のシナリオで桜の影響があるせいで、D.C.=桜の魔法
のような先入観を持ってしまいがちですが、そうではないのです。「D.C.」のシナリオでばあちゃんが「自転車の補助輪みたいなものだ」と言っています。最初は必要だけれども、最終的にはない方がいいということです。ただ、眞子の場合は最初から必要なかったのです。自転車に乗れない全ての人が補助輪を必要としているわけではありません。自分の力でやろうとする気持ち、それを実行し完成させるまでの努力があればいいのです。
眞子のシナリオから読みとれること。それは「魔法なんて必要ない」ということでしょう(でも、眞子に限らずD.C.の答えは「魔法は必要ない」というところにあるのだと私は思っていますが)。ある意味、D.C.と言う作品をもっとも分かりやすくまとめた(ただし、それ以外のシナリオを踏まえた上で)シナリオと言えるでしょう。
あまりに考察のしようがない。萌要素が多いシナリオです。ネコミミメイドというのははっきり言ってやりすぎです。風来猫のツボに入ってしまっているのはナイショです。
ですが、このシナリオにD.C.としての意味が無いという訳ではありません。考えてみると、とてつもなく大きな意味を持っていました。そして、若干眞子にも通じるものがありますが、眞子のシナリオでは桜が関係していないので、それは却下してあります。
で、そのD.C.としての意味ですが、これは「ばあちゃんの成功例」と取る事が出来ます。つまりは、少女の純粋な想い、主人公が好きだという願いをストレートに叶えたものですね。さらに言えば、臆病な美咲を猫の頼子を使って勇気づけるなどという高等テクニックまで使っています。桜の魔法大成功です。だからこそ、この美咲のシナリオでD.C.を終えることが出来たらそれはかなりすばらしいものになったでしょう。とはいうものの、それをファーストプレイの時点で感じることが出来る人は皆無に等しいでしょう。内容については、一貫してとても分かりやすいものになっています。
全ての起点に戻って、オープニングテーマから考えてみようと思います。
「卒業しても変わらないよ
約束を交わしたあの日と
第2ボタンに誓った
夢 君に魔法をかけて」
サビの部分です。「卒業→終わり、そして始まる=能力との決別、大切な物との出会い」とみて間違いなさそうです。「約束」というが2人一緒に…という意味ですね。
そう、終わりの時点で意味を持った、ダ・カーポのような、終わりと始まりの物語……。そんな風に納得できました。
七尾奈留さんの原画は、線画が細かいので見た目がとても綺麗です。って、こんなことを書くと他の七尾さんの作品の時にどんなレビューにしたらいいのか分からなくなるので、やめましょう。
全体的に見ると、原画を複数人数でやっているせいか、バランスが悪いですね。上手いとか下手だとかじゃなくて、作風が違うからキャラが同時に出来るところでは違和感があります。
何となく、水夏の時と比べて塗り方が変わったような気がします。どうも気になったのでペイントスタフを見てみたら、あらあら、結構変わっているではありませんか。ただ、変わったと言っても、良くなったわけでも、悪くなったわけでもないです。基本的には平行線ですね。どうもあまり関心のないジャンルだったりするので、コメントが少ないです。ああ、1つだけ突っ込みたいことがありました。どうして登場するヒロインキャラは全員頬がデフォルトで赤いのでしょう??
全体的に、雰囲気にあった曲でした。特に、キャラクタBGMはいい味出しています。あ、キャラクタBGMといえばメニュー画面で流れているオルゴールの曲。美春のBGMのオルゴールバージョンですね。・・・実は美春が真のヒロイン?? オルゴールが作中に出てくるので、その流れてあの何となく切ない感じのするオルゴールの曲がメニューで選ばれただけという可能性のほうが大ですが。
人気どころの声優を集めた感じですね。皆さんの役所が確立していますから、声でキャラクタを形成している部分が多々あるような気がします。風来猫と私の好きな声優欄を見てもらえれば分かるように、7キャラ中6キャラが好きな声優に当てはまっています。つまりはメジャーどころを押さえた感じ。その面から考えると、長崎みなみさんと春野日和さんは、Circusの全作品に登場しています。しかもお二方とも重要キャラを演じてきました。それがどうでしょう。今回は思いっきり脇役です。主役級に今人気最高潮の鳥居花音さんや北都南さんを使ってきたところを見ると、この辺りで主役交換でしょうか。次回作ではivory系が多くなって、イエローテイル系は無くなるかも。あ、でも最近一部で人気の出てきた草柳順子さんはイエロー系ですね。この方も次回作以降メインレベルで使われるような気がしています。ただ、他はどちらでもいいですから長崎みなみさんは出してくださいね。Circus様へのお願いです。(って、見てるわけないし)
気に入らない点が2つあります。1つ目、キャラクタごとの音声ON/OFFが出来ないこと。私は特定のキャラのみの声をOFFにしてゲームをプレイすることはありませんが、今までのCircus作品ではこの機能がありました。個人的にこの機能がなくなったのは寂しい限りです。2つ目、バストアップキャラの表示について。どんな場面でもバストアップキャラが1人しか表示されません(もし、2人以上表示されている場面があったらごめんなさい)。複数のキャラクタと会話している場面では、どうもキャラの切り替えが多いです。問題はバストアップキャラが大きいことですが、それくいらいは配置を考えて乗り越えましょう。・・・そういえば、CircusNorthanのシステムでは、バストアップが2人以上表示されたことが無かったような・・・。個人的に水夏の時のシステムが好きでしたね。エフェクト(桜)が増えていた点が良かった点でしょうか。今までのシステムでは殆ど使われていなかったので。Infantariaの時の雪でも使われていましたが、あれはプログラム的には重すぎでした。今のPCなら問題なく再生できるでしょうが、当時は綺麗&快適に再生するのに結構なスペックが必要だったと記憶しています。このADVシステムが何処まで進化するか、今後も見守っていきたいです。